運河を越える橋を渡る。
環状7号線の末端。
埋め立て地に、巨大な倉庫群。
トラックが行き交う物流の拠点。
遮るものがなにもなく、
日差しが直接コンクリートの地面にあたる。
上からも下からも暑さが、身体にぶつかってくる。
運河を眺めながら、渡っていると、
むこうから一人の黒い服を着た女性。
白人で金髪。スーツではなく喪服。
歩幅を稼ぐには不向きな足の動きを制限するスカート。
すねの筋肉に
力が入っているのが見える。
かくかくした歩き方。
橋の向こうには火葬場。
ここは東京の末端。
ヒールが高い靴で歩いて行くには遠い最寄り駅。