1.視点が増えて、毎日の生活で感じることが何倍にもになる。
ゆずの木の葉っぱを、音がする勢いでバリバリ食べているアゲハチョウの幼虫。
葉っぱごと虫かごに入れると、しばらくその様子を凝視している息子。
ある程度の年をとって、日々の生活に仕事に追われる中で、虫なんかどうだっていいし、それは、自分とは関係のないものだったはず。
息子の様子を見て、自分も子どもの頃、アゲハチョウの幼虫を見るために、ベランダで、食べ終わったグレープフルーツの種を植えて、育てていたことを思い出した。で、一度か二度、さなぎまでそだって、それが成虫になったのを見れた。もう一度見てみたいと、グレープフルーツの木に水をやり続け、育てようとしたが、そのうち、木に元気がなくなって、葉っぱも元気がなくなって、アゲハチョウがくることもなくなってしまった。
自分が当時がっかりしたことを思い出す。
でも、今、大きなゆずの木があり、幼虫が何匹もいて、でそのうちの何匹かはチョウになるだろう。その様子を今は観察できる。
自分の中のがっかりしてそのままになっていた子どもの部分がとってもうれしい。
息子が熱心に観察していることで、自分も子ども時代の興味がよみがえる。
私も、子どもを持つと「生き直してるなぁ」と思います。
低いところに目が行く。ダンゴムシとか、ミミズなんて大人の世界には無縁ですものね。
でも、子どもと一緒だと、地べたに目が行くんですよね。
それで、なんとなく、自分が子どもの頃の皮膚感覚がよみがえってくるような感じがする。
いつかはわからないんだけど、庭先に座ってたときの陽だまりのぬくもりとか、風の匂いとか、土のあたたかさとか、町の気配とか。
いまはお休み中だから、時間はあるけど、ときどきしか心に余裕がなくてイケナイ。
でも、そんな私にも「だいすきだよ~」と言ってくれる息子たち。
おっぱい飲みながら、無垢な瞳で見つめてくる赤子。
いましかないよな~、いまが多分人生で一番幸せだよな~と思いつつ。
なんか、独り言になりました。スミマセン。