257 おこっても、どうにもなりません

  なんで、こんな漢字くらい、覚えられないのか?

  なんで、こんな簡単な計算をよく間違えるのか?


簡単にできる人から見れば、
疑問に思うようなこと。

できないということが、
想像もつかないようなこと。

なにやってるんだ、なんでできないんだ
と、ついイライラして、
怒ってしまったりすることがあります。


友人が、たびたび、


  20%引きということは、いくらなのか?


  3割引って、これいくらになるのか?


などと、計算機代わりに、私を使います。


それで、あるとき  


  いい加減にしろ


と、腹を立ててしまいました。

かといってそのまま怒っていても仕方がないので、
割合や%の計算方法を教えようとしたのですが、
うまくいきませんでした。

友人は、おそらくこれまでずっと、
割合の計算ができなかった。

そのことで、先生とか親御さんから、
なんでできないのと、叱られてきた。

仕事をしていれば、当然どこかで
「割合」の計算をする場面が出てくるでしょう。

それを、人に頼んだり適当にごまかしたりと、
いままでなんとかやり過ごして来た。

「割合」に関して、つらかったり、きつい思いを
これまでの人生で何年にもわたって
繰り返してきたわけです。

さらには、信用していた私が、腹を立てた。

「割合」の周辺で、
嫌な感情がつもりにつもっているわけです。

もう、「割合」とは関わりたくない!

と意地になってしまっています。

そんな状況では、教えようと思っても、
まったくうまくいかなくなってしまいます。

お子さんや、周囲の人が、
何かができない。

そんなとき、


  なんでできないの!


とイライラしたり、腹を立てたりしていませんか?

そのせいで、
ますますできないように
してしまっているのかもしれません。

そんな状態だったとしても、
対処する方法はありますが、
余計な手間はかけたくないものです。




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256 勉強でのイライラを消す方法

算数で、リットルとかデシリットルとか、
いろいろ単位がでてきます。

単位を1.2リットルは何デシリットルか?
などといった問題をたくさん出されて、
イライラしていた女の子がいました。

あーめんどくさい。
しかめっ面をしてまゆをひそめています。

これはまさに勉強の壁のひとつ、
「実物がない」場合に起こる生理的現象。

その子は、ケーキ作りが好きなことを知っていました。

それで、聞いてみました。

いつもケーキ作るとき、
牛乳はどのくらい使うの?

  1カップです。

1カップってどのくらいの量なの?

  知りません。

じゃあ、ちょっとカップ見てみようか?

  200ccって書いてあります。

それはリットルで言うと、どういうことになるかな?

  0.2リットルでこれが2デシリットルだ!

頭の中だけで、無理矢理計算していた単なる数字と
ただの考えだけでしかなかった単位が、
彼女の中で、実際に普段使っている物と結びつきました。

その結果しかめっ面がなくなり、
イライラが消えて、
単位やそれに関する数字に
興味を持てるようになったのでした。




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われわれ日本人にとっては想像をはるかに超えた驚愕の組み合わせなのではないか?

いちごとキウイミックスジュース

まず第一に、われわれ一般的な日本人の頭の中には、
いちご自体のジュース、
もしくは、キウイ自体のジュースなるものは存在しない。
まあ、牛乳とかヨーグルト等の乳飲料に混ぜられた形のものはあるかもしれないが、
果汁を絞ったものだけの飲料は存在しない。

妻の親戚がいちご農家で、
冬に実家におじゃますると、
大量のいちごが箱に入っておいてある。
彼女たちにとっては、いちごが大量にある状態が日常で、
いちごに価値がほとんどなく、いちごインフレ状態。

わたしと、3人の息子は、一般人なので、
いちごは日常的に食べられるものではなく、
とても価値がある果物。

というわけで、
食べたいんならご自由どうぞという大きな箱に大量に入ったいちごを、
冬には、もうそれで腹がパンパンになるくらいいただく。

それくらいいちごは好き。

キウイも好きだなあ。
よくまるごと一個皮向いて食べる。
酸味と種のプチプチ感がいいですね。

どちらも好きで身近な果物だけど、
まずジュースにするというコンセプトがない。
さらに、それを組み合わせるとは・・・
恐れ入りました。

キウイの酸味がベースになって、
いちごの甘みがひろがります。







255 いつだってやり直せる

延々と高層ビルの窓拭きをしていた20代の前半。

高いところからの見晴らしは、素晴らしいのですが、
この先自分は、どうしたらいいんだ、
なんにもできないけど、
と内面は真っ暗。

何かを読もうと思えば、
あっという間に眠くなる、
寝てしまう。

そんな状態では、なにもできるようにはならないぞ、
おれの人生は、このまま窓拭きで終わってしまうのか?
と、絶望的な気分のまま過ごした数年間。

そんな中で、「勉強の技術」を知りました。

そこで、もしかしたらなんとかなるかも。
というかすかな希望。

パソコンが普及しはじめた頃の話です。
まずは、タイピングの練習をはじめてみました。

しばらく練習したら、できるようになりました。


うわ~

自分もできるじゃん。


そこからスタートして、
その後は、ウェブサイトを作ったり、
メールマガジンを発行したり、
そこから仕事になるようにしたりして
今に至ります。


俳優のトム・クルーズさんも、
昔は字が読めず、
当然脚本も読めずに苦労していたそうです。

そんな彼も「勉強の技術」で助けられた。
とのこと。
→ http://www.tsuiteru.jp/study/article/tom.html


未来は真っ白い紙のようなもの。

そこに何を描くのか、
絵でもいいし文章でもいいし、
よいこと、楽しいこと、わるいこと、
なんだって描けるでしょう。

今日、何をするかが、未来を作っていくわけで、
過去がどれだけダメだったかは、関係ありません。

勉強のやり方を知り、
必要な勉強をして、
学んだことを実践することで
人生を切り開いていく。

そのお手伝いができたらいいなと、
思っております。



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土地が余ってる

まあ、東京が人口が集中しすぎて異常事態なのかもしれないが、
フロリダのタンパで、1週間ほどすごしてみると、
とにかく、土地が余ってる。余裕がある。
せまいところにぎっしりつまっているような印象が全くなく、
とにかく、道路にせよ、建物にせよ広々としている。

トイレの個室も、狭いワンルームマンション並み。

空間が広いのは、いいかな。

ただ、建物内部の作り、コンセントやら電灯のスイッチやら、
細かい部分の作りは、日本と比べるとかなり大ざっぱ。
見ると、どれもこれもちょっと斜めに取り付けられている。


鉄道に対する考え方の違い






路面電車というわけでもない。
汽笛を常に鳴らしつつここを貨物列車が走る。
線路が隔離されていない。
車も人も、自由に入り込める。

高速鉄道に関して、アメリカが出してきた条件の中に、牛がぶつかっても、事故にならず、運行が保たれる。というのがあると以前聞いた覚えがある。

鉄道に対する考え方が日本とかなり違う。

一緒に仕事したい人

どんな人とだったら、一緒に仕事をしていきたいでしょうか?

学校の成績が優秀な人と仕事したいですか?

で、特に優秀とされる人は、周りを蹴落として、
自分一人で勝ち抜いて達成してもの。

それはそれで、ひとつの能力ではあります。

ただ、その身についたやり方で、
社会の中でやっていくことはできません。

社会ではどうしたって、他の人に助けてもらう必要が出てきます。
助けてもらうためには、自分も助けることができる必要があります。

その人がいくら勉強ができて優秀だったとしても、
それを鼻にかけるような人から
何かを買ってあげたいとは思いませんよねえ。

今の学校には、生徒が、周りの勉強で困ってる人を、
どうやって助けてあげられるか?
っていうノウハウやら、仕組みやらは存在しません。

生徒が他の生徒を助けられるようなノウハウと
場があって、お互いが実際に助けて結果がでるような場があれば、
それが「生きる力」を育てるってことになるんではないでしょうか?


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基礎からわかる勉強の技術

254 言い訳無用



  アメリカに用はないから、英語を勉強する必要はない。


英語の勉強をしなくていい理由を
いろいろ言ってくる生徒さん。

それに対して、普通は反論して説得しようとしますよねえ。


英語は、世界共通語で就職するにも英語が必要になってくる。
日本でも社内でのコミュニケーションは英語でやる会社がある。
これから日本の中だけでは、仕事ができなくなるかもしれない。
インドがどうのこうで、
だから英語はやっといた方がいい。


などなど。

それに対して、またさらに
いろんな反論やら屁理屈が返ってきたりします。
あれこれ議論したり言い争いをしたりして、
勉強に戻すまでに、長い時間と労力がかかります。


  ごちゃごちゃ言ってないで、やれ!


とムリヤリ強制する場合もあるでしょう。

それで、なんとか、勉強を再開させられたとしても、
結局、本人のやる気は回復していません。


  なぜか?


本当の原因が見つけられてないからです。

どこかの時点まではあれこれ言わずに、
勉強を進めていた。

で、どこからか、あれこれ言い訳がでてきた。
ということは、
言い訳がでてくる前になにか理解していない言葉があります。

それを見つけ、調べさせて、
とやっていきます。

すると、さっきまでの反抗的な態度が消え、
静かに勉強に戻って行きました。

ゴチャゴチャ言わずに、
以前のように黙って勉強をすすめるようにできます。

何か知識を身につける上で、
議論したり言い争いする必要はありません。




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基礎からわかる勉強の技術

上野動物園でパンダ見てきました。

くそ寒いクリスマスイブの午後、子どもたちを連れて上野動物園に行ってきました。



入り口。



入り口から入って、右側、最初にパンダ舎!いよいよパンダです。




ねてます。




ねてます。




あ、やっと見られました。

しかし、まあ、なにが楽しいって、
ゴリラだーって、うほうほうほって言いながらかけていく
子どもたちを見るのが一番おもしろい。




253 勉強は好きですか?



  子供のやる気がない。

  一応、宿題はやっているが、自分から進んで勉強しない。

  とにかく、ゲームばかりしていて勉強しない。

  言うことを聞こうとしない。
  だから、やって欲しいことをしない。


中学生、高校生のお子様をもつお母様からよくいただく相談。

それで、お母様はどうするのかというと、
さらに、強く言ったり、怒鳴ったり。


子供はますます聞く気と、
やる気がなくなっていきます。

そんな状態のある中学生に対して質問してみました。



  勉強は、好きですか?



  きらい。やりたくない。



聞くだけ無駄だったかもしれません。

自分が十代のころ、
親や先生といった、大人の方々に
どういう態度をとってきたかを考えれば、
目の前の中学生の態度も当然だと思えます。

まあやれやれと言われれば、
きらいになるのももっともだと思います。


こういった場合、どうするか?


まずは最初に、
その中学生が好きだったり、
興味を持っている分野を
わたしが手伝いながら、
一緒に勉強していきます。

これは、学校の勉強に限りません。

その子はホームページを作ってみたい
と言っていたので、
ホームページ作成ソフトのマニュアルを
用語を一緒に調べて理解させながら
読み進めます。

興味があるので、
やれと強制する必要はなく、
いやがられることはありません。

1回90分を4,5回続けて、
そのソフトを使えるまでになりました。

次に学校の勉強に取りかかります。
数学は他の科目と比べれば、
少しはできると言うので、
数学をやっていきます。

ソフトのマニュアルを読み進めていったのと
同じように用語を調べさせながら進めていきます。

はじめは嫌そうにやっていましたが、


  ああ!そういうことなのか!


と、分からなかった部分が、
分かるようになっていきます。

すると、興味がわいてきたようで、


  じゃあ、これはどういうことなんですか?


と質問が出てきます。

理解していない単語や記号を見つけて処理することで、
自分でその疑問の答えを出すことができました。

それで、ますます興味を持つようになって
顔つきが変わってきました。

ここまでできたら、あとは簡単です。





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基礎からわかる勉強の技術

仕事が遅い人の特徴 災害対策編

目の前に広がる緊急事態。異常事態。

状況を把握し、その状況の中で、何を目標にするか決め、
対策を立て、即実行する必要がある。

地域全体に広がる悪臭。
宮崎県での大量の牛の死骸
気仙沼市の震災、津波の後、発生した悪臭。

地域全体をおおっているので、逃げ場がない。

どうするか?

EM菌(有用微生物群)を撒くと悪臭が消える。
という話があり、実際にやってみたら、消えた。
すっかり消えた。

じゃあ、これを地域全体で大規模にやっていこう!

で、悪臭が消えました。

ある程度の費用はかかったけど、
それほど大きな金額にはなってない。

素早い動き。
なにも問題ない。


それに対して、
理論的におかしい。
ありえない。
エセ科学だ。
細菌を使うことで、
地域の生態系が乱れる。
ある特定の商品を使うのはどうか。

などなど、ごちゃごちゃ言っている人。

状況をわかっているのだろうか?

今すぐ、対処する必要がある状況。

そのために、なにをしたらいいのか?

対案がある訳でもない。

実際の結果よりも、
理論とか理屈が大事。
前例がないことはできない。
などなど。

何かの考えが障害になって、
動きが止められます。

そうなると、仕事が前に進みませんねえ。



もちろん、エセ科学に分類されるような商品だったり理論はあったりする。

科学という分野における長年の努力の蓄積を、
無視することはできない。
だからといって、既存の科学が全てというわけでもない。

現実に起きていることを前にして、批判するだけではなく、
科学においても何かしら新しい価値を提供する。

それが仕事というものなのではないんでしょうか?



できた!という経験



鉄棒を握って、何度も何度も地面をけって挑戦した逆上がり。
ある瞬間、くるりと回って頭が鉄棒の上に来ている。

あ、できた!!

自転車で補助輪を外して、前に進もうとするのだけど、
すぐ倒れてしまう。
なんどか倒れて、で、ある瞬間

あ!

という感じでペダルを踏んで進み始める。


水泳でバタフライをやろうと、
腕をぶん回すが、思いっきり水をのんでしまい、
なかなか足と手のタイミングが掴めない。

人の泳ぎを見て、足と手のタイミングを見て、
で、イメージを作って、で、実際にやってみる。

できた!

息継ぎも問題ない。

タイピングの練習。
でてくる文字を打つ。
何度も何度も打つ。
次第に間違いが減っていく。
スピードも上がっていく。
で、どこかの時点でキーボードを意識することなく、
考えたことを文字で打ち込むことができるようになっている。

あ、できてんじゃん。

こういった練習して努力して
できた!という経験を生徒さんがたくさん持てていると、
アドバイスが楽だ。

今の時点で、学校の勉強があまりできていないとしても、
それほど手間がかからずに、勉強もなんとかできるようになる。

できた!

っていうのを勉強の上でも、経験させやすい。
その気持ちよさが、やる気の原動力になる感じ。

あと、勉強において、
何をもって、理解できたと言えるのか、
言葉で説明して伝えるのではなく、
本人の実感でもって、伝えることができる。



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252 夢の学習法で夢をみる


  参考書、枕の下に置いて、
  ねている間に中身が全部頭の中に
  入ってればいいなあ!


ある中学生が夢のようなことを言っています。
まあ、仮に実現したとして、
テスト対策のためだったら、
役に立つかもしれません。

寝ている間に参考書の試験範囲の全ページが、
すべて頭の中に記録されている。

ただし、そもそも参考書に書かれていることを
理解していません。

なんでそれがそうなるのか、
なんでその答えがでてくるのか
わからないまま、答えだけ知っている状態。

歴史の年号とか、単語の綴りとか、
単に暗記していることを問うような試験のためだったら、
これは役に立つでしょう。

でも、自分で考えて答えを導き出したり、
なにかの技術を身につける。

といったときには、
それだけでは足りません。


  聞くだけで英語力アップ!


寝ている間に、枕元でなにか英語のスピーチを流します。
通勤の電車で、iPhoneで流しっぱなしにして聞きます。

それで、スピーチの英語が
すべて頭の中に記録され、
自由に頭の中で再生できるようになったとします。

でも、そもそも
そこで話されている英文の意味をわかっていなかったら、
それが頭の中にあったからといって、
わからないものはわからないままです。

オウムのように、いくつかのフレーズを繰り返すことは
できるようになるかもしれません。

でも、なにか自分が持っている考えを、
相手に伝わるような形に組み立てて、
言葉を選んで伝える。

といった高等な作業は、
いくらフレーズを大量に覚えたところで無理です。

必要なのは、理解することです。

なにかを丸ごと暗記したり、記録できたとしても、
それは理解したことにはなりません。



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基礎からわかる勉強の技術

あなた~わたしの幻をあいしたの~

なんか、勝手に思いつめた、突然の愛の告白。

えーと、どちらさまでしたっけ?

って言うわけにもいかないが、
ほんとに誰だっけ?
って感じ。

なんで、話したこともないのに、
そこまで思い込めるのかがよくわからない。

逆に、なんか勝手に自分が悪者にされる。
勝手にストーリーを作られて、
あいつは、こういうことをするから、
とんでもないやつだと。

噂話の出所をたどっていくと、
最終的にその方にぶちあたり、
直接話を聞く。

なんか、ありもしない話を、
すごい勢いで話し続ける。
その方の中ではそうすることが、
生き延びるための方法なのだろう。

こういった場合、
好かれようが、
悪者にされようが、
それは、その方だけの幻。

その方が作り出した世界から
その方は外に出ることがない、できない。
外部の存在に気づくこともない。

人の話を聞いていたとしても、
聞いていない。聞けない。
自分とは違うリアリティを受け入れることができない。

ひとりでやってろ・・・。


仕事が遅い人の特徴、おそうじ編

そりゃあねえ、きりないですよ。
完璧に仕上げようと思ったら。
そこら中にあるもの、完全に整理し尽くそうとしたら。

一生かけてやってていいのであれば、
そうじにおいて完璧さを追求するのも
楽しい時間の潰し方にはなるかもしれません。

実際は時間も限られているわけで、
使える時間も様々。

そうじにおいてどの程度の質を目指して実行するか。
前もって、はっきりさせておくことが必要ですねえ。

お客さんが来るのか、
今日一日、仕事を進めるのに、
気分よく、注意をそらされることなく、
集中できるようにするためなのか、
一年の終わりに、来年に向けて、
徹底的にやるのか、
などなど。

理想を追求し始めると、
いつまでたっても完了しません。

頭で考えることと、目の前の現実。
まず、ほとんどの場合、
目の前の現実のほうが、
おとっているように見えてしまいます。
だから、できていないと思い込み、
もっとやらなくてはいけない。
自分はできていない。
などなどと、思い込みがち。

必要な質の程度はどこなのか?
なんなのか?

それを決めた上で、目の前の現実を
それに合わせて動かす。

そうすれば、延々と理想を追求して時間を費やしてしまう罠から
抜け出せます。


トム・クルーズさん来日にあたって

最近、映画ミッション・インポッシブル4の公開にあわせて、
トム・クルーズさんが日本に来てました。

8年前、彼が主演の「ラストサムライ」が公開されるとき、
日本に来て、首相官邸まで行って当時の小泉首相に
「学び方がわかる本」を手渡したんですよね。

なんのために、渡したのか、朝日新聞の論説委員の方が、
記事を書いています。
→ http://www.dnj.jp/study/shimizu.htm

あれからずいぶんたちました。
「学び方がわかる本」
の内容はすべてこちらの
「親子で楽しむ学び方」
にあります。
よろしければどうぞ。


親子で楽しむ学び方 LEARNING HOW TO LEARN

メールマガジン「勉強ができないのは、やり方を知らないからだ!254号」
配信しました。


脳をよろこばしてないで、おまえがよろこべよ。

書店に行くと、脳がどーたらこーたら
というタイトルやら見出しが目に入ってくる。

脳のために、あれしたりこれしたりして、
脳をよろこばすんだそうだ。

おまえは脳の下僕か!

とツッコミたくなる衝動に駆られる。

そりゃあねえ、脳にちゃんと血液が回って、
酸素が行き渡ってと、
モノとして、きちんと機能するように、
ある程度の配慮をする必要はある。

でもねえ、その脳を使っているのは何なんですか?

っていう視点が欠けてるのではないでしょうか。

脳はコンピュータに例えらる。
コンピュータは、計算する。
コンピュータがそれ自体で勝手に計算を始めることはない。

何が、誰が、コンピュータを使っているのか?

ということ。


251 スパルタ教育の行く末



  そんなこともできないのか!


小学生のお子さまが宿題をやるのを
見ていたお父さんが怒鳴ります。

かけ算の練習問題。

お子さんは、問題ができずにとまっています。

できないことで、苦しんでいる中、
さらにお父さんからの怒鳴り声が飛んできます。

それで、さらに苦しんでわけが分からなくなります。

お父さんには、悪意はありません。

お子さんのためを思って、
宿題を見てあげていたのでしょう。

でも、これがどういう結果を引き起こすか?



そのお子さんが大人になったら、
なってそうな状態の例がありました。
 
ビジネスマンとしては、成功されていて、
責任のある地位についていらっしゃるある方。


  数字が苦手。


  おれは掛け算ができないけど、
  それでもこれだけ結果を出してきたんだ!
  だから、わからなくてもいいんだ!


なんか、意地になっているように見えます。

わたしは、そのかたのおっしゃることについて、
否定したりせずに、
なんで、わからなくていいと思うのか?
つっこんで聞きだします。

するとでてきたのが、
子供の時、かけ算の宿題をやっていて
お父さんに怒鳴られたこと。

やるのが嫌になって、
それ以降、数字に関わることを避けてきたのだそうです。


  かけ算ができないのがおれなんだ!
  できるようになったら、
  おれではなくなってしまう!


などとわけの分からないことを
言って反発していたのですが、

「かけ算」「算数」「×(掛けるの記号)」などの単語、記号を
ひとつずつ調べてもらいます。

飴の袋があったので、
飴を使って、3人にあめを4個づつ配る様子を
表します。

などなど、掛け算が使われる例をいろいろ考えてもらいます。


  えーーー、こんな簡単なことだったの?
  おれはいままで何をやってたんだ!

 
最後にはかけ算ができるようになって、
妙に意地を張っていたような部分は
消えてなくなったのでした。



指導者の選び方

人に指導するときには、指導者が持っている技術や、様々な考えよりもまず、教えようとする相手を観察する能力が重要だ。観察した上ではじめて、相手がどの程度できるのか、できないのか、把握することができ、その上で適切な段階を設定することができる。

こうすれば、できるはずだ。という指導者自身の思いこみがある。説明して、やらせてみて、うまく行かない。そうしたときに、できていないという現状、相手が実際になにをしていて、どこまではできていて、どこからできていないのか、を観察する。そして、自分が持っている「こうすればできるはずだ」という考えを修正して、うまくできるように新たなことを試みてみる。その繰り返しで、指導者も教える側も成長していくことができる。

もしそうできないとしたら、指導者の「こうすればできるはずだ」という考えは、固定観念となり、考えを変えることができなくなる。その結果、うまく行かない理由を、相手の能力が低いとか、才能がないとか、指導者側ではなく、相手のせいにしてしまう。当然、そこから先には進まない。

さらに、指導者が、教える相手の向上よりも、指導者自身の正しさを主張することの方により多くの注意を払っている場合がある。その人は、自分が持っている考えでは、うまく行かなかったときに、うまく行かなかったと、認めることができない。

こういった指導者が目的にしていることは、相手の技術の向上ではなく、自分の正しさを、より確固としたものにすることである。さらには、指導者本人が、自分が何を目的にやっているのか、自覚がない。だから、教えられるほうは災難だ。

指導を受けている側が、自分には才能がないとか、自分が悪い。とか感じて行き詰まっていたとしたら、指導者が自分の正しさを主張することに一生懸命になって、相手を見ていない可能性がある。

子どもが補助輪なしで自転車に乗れるようにするために、まずは、平らな広場等でペダルをこがずに、地面をけって前に進む練習をする。そうして、バランスをとって自転車を倒さずに進む感覚を十分につかんだ上で、ペダルをこいで進む練習をする。という段階をわたしは考えていた。

で、実際にある子どもにやらせてみたとき、平らなところで、地面をけって進むのが難しいようだった。すぐに倒れてしまう。

そこで、なんでこの子はできないんだ。ほかの子は、このやり方でできているのにおかしい。自分はこのやり方で、長年指導してきた。それで、うまくやってきた。だから、できないのは、この子の運動神経が鈍いからだと、子どものせいにしてしまったら、先に進むことはできない。経験が邪魔をして、目の前で起きていることを観察できなくなっている。また、自転車に乗れるようにするという結果に向けて、自分がうまく指導できていないという事実を認め、受け入れられていない。

それは学校の勉強でも同じ。この子はほかの子より頭が悪いんじゃないか、脳に障害があるんじゃないか、病気なんじゃないかとか、考えてみても、どこにも行き着かない。

必要なのは、その子にあった段階を設定してあげること。
小学校の高学年だから、もう10歳だからわかっていて当然だ。とか思いこむのは、相手を見ていないことになる。

ひらがなは書くことができていても、実はカタカナの一部が書けず、その延長で、漢字が読めない、書けないなんてことはざらに起こる。その場合は、カタカナから練習させて、読み書きできるようにしていく必要がある。5年生で、5年生の漢字が書けないからと言って、5年生の漢字を一生懸命、練習させてもうまくいかない。その子はますます混乱するだけだ。

子どもに、自転車の練習を公園の広場でさせても、すぐに倒れてしまう状況が続いている。そこで、思いついたのが、地面をけって進む前に、もう少し低い段階を設定すること。近所にわずかに下り坂になっている遊歩道があった。昼間の人通りはわずかだ。そこにつれていって、ただ、自転車にのせて、くだらせる。地面をける必要もなく、自転車は自然に進んでいく。下り坂はゆるいので、それほどスピードはでない。何回かやってみな。と、勝手にやらせていたら、気がついたら、あ!できた!という瞬間があって、バランスをとって自転車を進めさせる感覚がつかめたようで、それができたら、すぐにペダルをこぎはじめて、そのまま、こいで進めるようになっていた。それまで、何度も公園の平らな広場で練習してきたが、なかなかうまく行かなかったことが、適切な段階を設定することで、わずか数分でできるようになった。

天才的なプレイヤー、優秀な技術者が、優秀な指導者になれるとは限らない。当人ができていること、できて当たり前だったりするので、どうしたらできるようになるか、わざわざ考える必要も、人に伝える必要もない。だから、できない人になにが起こっているのか、想像することが難しい。

ちょっとした小技ではあるが、フライ返し。大きめのお好みやきやら、ホットケーキを焼いているとき、他に道具を使わずフライパンだけを動かして、裏返しにひっくり返す。思い切ってひょいっとやれば、できるのだが、どうやってやるのか教えてと言われても説明するのが難しい。ひょいっと思い切ってやればいいんだよなどと、感覚的なことは言えるが、具体的にどうやっているのか説明することができない。自分は、簡単にできるが、人によっては難しいことのようだ。自分には、人がなぜできないのかが、よくわからない。だから、やり方を伝えるのが難しい。
天才と言われるような人は、おそらく、この何千倍も技能を要するようなことが、わたしのフライ返しのように簡単にできてしまう状態にあるのだろう。それで、その技能がなぜできるのか、どのようにやっているのか、説明するとなると、感覚的な言葉ばかりでてきて、できない人が理解できるような説明にはならなかったりする。

親御さんが子どもに対して、この天才的なプレイヤー状態に陥っていることがよくある。子どもになんでこんなこともできないのかといらいらして怒ってしまう。
それで、冷静に子どもの状態を観察することができていない。子どもだと特に、あまりにも簡単すぎるように思えることが、できない状態にある。親御さんは、そんな状態が存在すると想像することができず、現実に起きていることを受け入れることが難しくなる。指導する相手が、自分の子どもだった場合は特に。それで、子どもにとって、高すぎる段階を設定して、子どもはさらに失敗して混乱して、親御さんはこの子は大丈夫かしらとますます不安になったり、いらいらしたり。さらにその様子をみた子どもはさらに混乱して、と悪循環にはまっていく。

自分一人で、技能を習得しようと努力するときは、一人で、指導者と生徒を兼ねていることになる。自己流がうまくいかない理由のひとつは、自分の状態、レベルを適切に観察することが難しいから。指導者として、自分のことを客観的に見ることができないわけではないが、難しい。適切なレベルの練習をできているのか、練習を続けていて、上達しているのかどうか、自分ひとりで客観的に判断するのが難しい場合がある。自分はすごいんだと、勝手に一人で思いこんでいて、基本練習をおろそかにし、むやみに高い段階の練習をしようとする。それで、ある程度の時間をかけてみても、端から見たら、上達していない。

また、自分はまだまだだと勝手に思いこみ、いつまでも基本練習を繰り返す。いくら腕立て伏せが100回できたところで、水泳選手だったら、その筋力を推進力に変えられないと意味がないし、野球選手だったら、バットにボールを当てて、ある程度ねらった場所にボールを飛ばせるよう、コントロールするために、その筋力を使えないと意味がない。

他の人との比較がないので、こうすればできるようになるはずだという、固定観念にもはまりやすい。

空手をやっているという男。北海道で5本の指に入るとか豪語していた。当然どこかの道場に通っているんだろうと思ったら、通信教育で毎日自宅の部屋で練習しているとのこと。一人でやっているのに、自分はかなり強いと勝手に思いこんでいる。毎日練習を続けているのはすごいのだが、どの程度、技術が向上しているのかは、客観的に見る必要がある。「強い」というその根拠がどこからくるのかがよくわからないので、その強さはその男の勝手な思いこみでしかない。

私は学生のころ、トライアスロンの大会にでようと思い、水泳の練習をひとりではじめた。自己流で練習していたが、高校生になり、水泳部に入って、フォームがおかしいと先輩に指摘され、かなり直された。自分ではできているつもりでも、外から見てもらったら、できていない動きがあり、水の抵抗を増やしてしまうような無駄な動きがあった。自己流でやっていたために、変なくせがついてしまっていたようで、くせが抜けるまで、たびたび注意を受けた。自分の泳ぎを向上させるためには、他の人の目によるチェックが必要だった。一人でやっていては、無駄な動きをしていることに気がつけなかった。


肝心なことをまとめると、なにかの技術を習得しようとするときには、段階を踏んで、一歩ずつ高いレベルのことができるようにしていきましょう。そして、勉強の壁の一つ、段階の飛び越しには気をつけましょう。というだけの話。
適切な段階でもって、少しずつ技術のレベルをあげていく。それで、どんなことでもできるようにしていくことができる。適切な段階を設定して進めていければいいのだが、おもに指導者側の原因で失敗している様々な状況を書いてみた。





250 勉強しなさい!の行く末

    うちの子、勉強しないんです。


  よく耳にする言葉。

  でそのお母さま、解決策は


    勉強しなさい!


  とどなること。

  息子さんは、しぶしぶ勉強をはじめます。

  でも息子さんは、実際のところ、
  言われるたびにやる気を失っていきます。

  テストでは、いい結果を出せるかもしれないし、
  出せないかもしれません。

  ただ、その勉強は本人の意志でやっていないので、
  息子さんの人生で役に立つものにはなりません。

  テストが終われば、すべて忘れてしまいます。


  で、その後もずーっと、


勉強しなさい!


  と言い続けなければ、勉強をしない状態になります。


  大変ではありませんか?


  これでは、お互い、幸せではありません。


  この調子で行くと、息子さんの将来はどうなるでしょうか?


  どこかで、


    ごちゃごちゃうるせえんだよ!


  と返されて、まったく言うことを聞かなくなる。

  もしくは、ただ従順に、言われたことはやる。
  指示されている勉強はやる。

  で、学校の成績は良かったりします。

  一見すると、良い子のように見えるのがくせ者。

  怖いのは、こっち。
  「学校」では、それでやっていけるかもしれません。

  でも社会にでたら、求められていることは、
  「学校」とはかなり違います。

  言われたことをやる。
  それはできて当たり前、
  その先、自分で考えて、行動することが必要になってきます。

  言われたことをやるだけだったら、
  他の誰でもいいわけです。

  で、誰でもいい仕事だったら、
  収入もそれなりってことになりますよね。


  いずれにせよ、必要なのは、
  興味を持って、
  自分で何かを勉強できて、
  で、勉強したことを使って、
  なにか行動を起こせる。

  ということ。


  もともと、何か新しいことを知るってことは、
  面白い事のはずです。

  それが面白くなくなって興味が持てないでいるとしたら、
  なにか、問題があるということです。



親子で楽しむ学び方 LEARNING HOW TO LEARN


基礎からわかる勉強の技術




親になる

かつて自分に子どもがいるなんていう事態は、想像もできなかった。

火星に到達することの方が、
まだリアルに思い浮かべることができる。

そんな自分でも、気がついてみたら、3人の子の親に。

で、子ども作ろうかどうしようかと、
悩んでいる方に言うのは、


  まずは、作っちゃえ!


そりゃあ、なんだかんだでお金がかかったり、
今だったら、放射線の問題があったり、
考え始めたら、いくらでも問題はでてきてしまう。

実際のところ、問題がないわけではない。

でも、それ以上に、
子どもから教えられたり、与えられることがたくさんたくさんある。

それがどういったものかは、
実際に、子どもがいてみないと、
経験してみないとわからないだろうなあ。




才能ってなんですか?

自分の才能って、意外と、自分では気がついていないもんだ。

という話があり、思い当たるふしが。

ある友人、
なんでわざわざ、プログラマーになろうと勉強しているのか、
疑問に思ったことがあった。

あまり勉強するタイプではなかったが、
どんな人に対しても、自分から興味を持って話しかけ
仲良くなって、入り込んでいくことができる。

突然、思い立って、
どこかの大学に入り込んで、
そこの教授と話をしてきたと聞いて、
びっくりさせられたこともあった。

それは才能だ。
他の人にはまねできないレベルに達しているように見えた。

その才能を生かして、なにか営業の仕事でもするのだろうと、
思っていたが、
何を思ったのか、プログラマを目指そうとコンピュータを前にして、
うんうんうなっている。

それはそれで、いいのだけど、
せっかくのその才能をめいっぱい生かして仕事したり、
生活をしていくのが、
そいつにとっても、周りの人たちにとっても、
ハッピーなんじゃないか?

と疑問に思い聞いてみた。

なんでわざわざ、苦手なことしてんの?
営業とかやったほうが向いてんじゃないの?



  いや、自分が苦手なことやらないと、成長しないでしょ。



まあ、その向上心は素晴らしいんだが、
まずは、そのしゃべりの才能を生かした方がいいんでねえかい?



  え?それって才能なの?





計算ミスのなくし方

ごちゃごちゃした計算。
文字が3つも4つも出てくるような計算。
で、答えを出すのに、1回や2回の計算ではすまないたぐいのもの。
解き方とか、理屈はわかってるんだけど、
どうしてもミスしてしまう。

そんな場合に、その子が何をしているのか見てみると、
ちっちゃな字で、ノートや紙の余白の部分で
ごちゃごちゃっと計算している。

ノートや紙のスペースを節約したいのかもしれませんが、
それがミスの元。

字を大きく書いて、1問で見開き1ページ使う勢いので
ひとつひとつ思いっきり大きな字で、
書きながら計算してもらいます。

ミスのしようがありません。

これで間違えるんだったら、
なにかを理解してません。





新体系・高校数学の教科書 上 (ブルーバックス)


赤ちゃんってどこからくるの?

 

お母さんのお腹の中から。

 

この答えは、ピントがずれています。

まず、質問の意味が理解できていませんね。

赤ちゃんの身体は、
確かにお母さんのお腹の中で育って、
で、でてきました。

それは間違いありません。
でも、それはあくまでも身体です。
身体がどうやって形成されていったのか?
男と女がどうのこうのについて話すことはできます。
でも、それは身体の話です。

その身体を動かしているのは何か?
その身体を使っているのは誰か?

を見なくてはいけません。

身体を動かしているもの、
それが、その人。

では、赤ちゃんはどこからきたんでしょう?

その赤ちゃん本人に聞いてみるしかありませんね。

 

 

おまえはどこから来たんだ?

 

 

どこからきたのかは、
その本人以外誰も知らないのではないでしょうか?